検査・診断

甲状腺の触診

甲状腺が腫れているかどうか(甲状腺腫の有無)を診ます。正常の甲状腺は、見ても触れてもその存在がわかりません。甲状腺腫があると何らかの甲状腺疾患の存在が考えられるため、まず触診で腫大の状態や腫瘤の存在を評価します。また触診の感じで疾患の診断や、また腫大の変化で疾患の経過や治療効果の推定も可能です。

超音波(エコー)検査

甲状腺内部や周囲のリンパ節の状態を評価します。

  1. 腫瘤がなく、全体的に腫大している場合(びまん性甲状腺腫)は、
    橋本病、バセドウ病、単純性びまん性甲状腺腫、亜急性甲状腺炎などでみられます。また甲状腺内部の見え方で疾患が診断できる場合もあります。
  2. 腫瘤がある場合(結節性甲状腺腫)は、良性か悪性かの判断が最も重要です。
    腫瘤の大きさや内部の状態、石灰化などを評価します。
    良性病変には、腺腫様甲状腺腫、腺腫(濾胞性腫瘍の大部分)など
    悪性病変には、甲状腺癌、悪性リンパ腫などがあります。

細胞診検査

甲状腺腫瘤について、良性・悪性の鑑別診断が必要な場合は、超音波ガイド下に細い針を腫瘤に刺して、少量の細胞を採取する穿刺吸引細胞診を行います。外来診療中にその場で施行できます。検査後の出血がないようにしっかりと圧迫しておくことが重要です。細胞診検査の結果は1週間後に判明します。

血液検査

クリニックの性格上、通常は甲状腺関連の検査項目に限定しています。初診の方やバセドウ病治療初期の方で薬の副作用チェックが必要な場合では、一般の血液検査項目も必要に応じて追加しています。

甲状腺機能(ホルモン状態)の評価:     TSH, FT3, FT4
橋本病であるかどうかの診断:        抗Tg抗体、抗TPO抗体
バセドウ病であるかどうかの診断:      TRAb, TSAb
甲状腺の変化の指標:            Tg(サイログロブリン)

よくある相談については、北村医師の別サイトで説明します